宅配便で、スーツやコートの水洗いクリーニングを試してみる。 【コロナに負けるな! いまだからできること #9】
東京都で外出自粛が要請され、多くの店舗や施設と同様、クリーニング店の多くも休業を余儀なくされている。仕方のないことではあるが、季節は待ってはくれない。秋冬物のスーツやコートを、この騒動の前にクリーニングに出していた人はどれだけいるだろうか。リモートワーク導入が進み、スーツを着る機会の減ったいまはまだ心配ないが、夏以降までこの状況が続き、クリーニングに出せないまま秋に入る可能性だってあり得る。
そこに朗報だ。神田のビスポーク専門の水洗いクリーニング店「アクアクリーニング セカンドハウス」が集荷・宅配サービスを開始したという。ファッションエディターの間でも評価が高いこの店では、スーツやコートに付着した皮脂汚れをしっかりと取り除くために、ドライクリーニングだけでなく水洗いも取り入れている。水洗いクリーニングは、ビスポークの仕立処も運営する同店だからこそ実現したものといえる。
たとえば、水洗いの前に表地と芯地が動かないよう、洋裁師のスタッフが軽く縫い付ける「躾打ち」。水洗いで生じる素材間の縮率差による歪みを抑えるひと手間だが、これは日々の着用による着崩れを補正することにもつながる。
水洗い後は乾燥を経て、ジャケットやパンツをそれぞれ専用のボディに着せる。そして、適度にテンションをかけながらスチームを当てることで、生地本来の弾力を甦らせる。
最後に、店内の工房にて、手仕事のアイロンワークで整型。このように全工程において、スーツを構成する素材の性質や立体的な裁断など、ビスポークを理解したテーラーの専門性が活かされているのだ。
本来は予約制の来店でのみ受け付けていた一連のクリーニングだが、このたび、外出自粛に対応すべく2020年5月17日までの期間限定で集荷・宅配サービスを開始した。全国からの注文に対応するそうで、水洗いクリーニングを試してみる好機ともいえる。自宅に籠っていてスーツを着る機会の激減したいま、メンテナンス方法を見直してみてはいかがだろうか。(編集RK)
アクアクリーニング セカンドハウス( 集荷・宅配クリーニング特設サイト)
www.second-h.jp/entry/index.php